「伊勢神宮」は通称であり、
正式名称は地名の付かない「神宮」(じんぐう)である。
古代では、皇室の氏神として、天皇以外の奉幣は禁止された。
主祭神は
他の神宮と区別するため「伊勢の神宮」と呼ぶこともあり、
親しみを込めて「お伊勢さん」「大神宮さん」とも称され、
神社本庁の本宗(ほんそう)としている。
つまり伊勢神宮が古来からの至高神社として、全国の神社の総親神として本宗と仰いでいる。 明治時代から戦前までの近代社格制度では、
すべての神社の上に位置する神社として社格の対象外とされた。
伊勢神宮には、
太陽を神格化した天照坐皇大御神(天照大御神)を祀る皇大神宮と、
衣食住の守り神である豊受大御神を祀る豊受大神宮の二つの正宮があり、
一般に皇大神宮は内宮(ないくう)、
豊受大神宮は外宮(げくう)と呼ばれる。
江戸時代には、お蔭参り(お伊勢参り)が流行し、
庶民には親しみを込めて「お伊勢さん」と呼ばれ、多くの民衆が全国から参拝した。
明治時代に入って
明治天皇が在位中の天皇としては初めて参拝した。
明治政府により、全国神社の頂点の神社として位置付けられたが、
現在は、宗教法人「神社本庁」発足により、全国神社の本宗とされている。
内宮前に「神宮司庁」があり、神職約100人、一般職約500人が奉職している。
佐藤栄作首相が昭和42年(1967年)に参拝して以来、
現職内閣総理大臣と農林水産大臣が、
主に1月4日の官公庁仕事始めの日に参拝するのが慣例行事である。
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