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■お金の話



  
 

 貨幣とは何か

 
貨幣の定義をすれば、すこしややこしい言い方ながら
 「取引や決済に使用しうる資産のストック」のことである。

 そして貨幣には主に三つの機能があるとされる。

 1)価値の尺度の貯蔵の手段
 2)計算単位
 3)交換手段

 貨幣は、上記の三つの機能があれば、その物自体に価値がなくとも、貨幣としての機能を果たすと認識されれば貨幣である。

 1ドル紙幣や1万円札は、たんに金額表示と肖像の描かれた紙切れであり、紙切れ自体に価値はない。しかし、それを持っていれば、様々な商品やサービスと交換できるから、貨幣となっている。
 このように貨幣として、一定の地域で基本的な決済に利用されているものを、本位貨幣という。

 本位貨幣はその国内における最終支払手段として形成される貨幣体系の基本に位置している確定貨幣であるため、無制限通用力を有しているので、「無制限法貨」と呼ばれる

 広義には、本位貨幣の他にも、法律により強制通用力を認められている信用貨幣も含めて指している。
 つまり 「貨幣」という語で、鋳貨・紙幣に加えて(当座預金などの)信用貨幣も含めて指す場合が多い。

 貨幣(として用いられるモノ)が、額面通りの価値を持つためには、その貨幣を発行する政府に対して、信用が存在することが必要条件である。

            

        

 価値の尺度としての貨幣

 貨幣は計量可能なモノ(財)の市場における交換価値を、客観的に表す尺度となる。これによって異なるモノの価値を、同一の貨幣において比較、ないし計算(計算単位)することができる。
 

 支払機能をもつ貨幣

 計量可能なモノを渡し、責務を決済する。
 初期社会では特に示談金、損害賠償、租税などの制度と関連して生じた。

 価値の保蔵が可能な貨幣

 計量可能なモノを貨幣に交換することで、モノの価値を保蔵することができる。
 例えば、モノとしての大根1本は腐敗すれば消滅するが、貨幣に換えておけば将来大根1本が入手可能となる。 あるいは「大根1本の価値」を保蔵できる。

 ただし、自由な取引の元では、通貨価値ないし物価変動により、貨幣で入手できるモノの量は増減することがあり、貨幣による価値の保蔵機能は完全ではない。

          

 交換の媒介が可能な貨幣

 貨幣を介する社会では、計量可能なモノと貨幣を相互に交換することで、共通に認められた価値である貨幣を介することで取引をスムーズに行える。
 これに対し、貨幣を介さない等価交換においては、取引が成立する条件として、相手が自分の欲しいモノを持っていることと同時に、自分が相手の欲しいモノを持っていることが必要となる。



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 貨幣の起源
 
 貨幣以前の貨幣- 原始貨幣
 等価交換が盛んに行なわれるようになると、物資の交換に伴う不便を取り除くため、代替物が、交換に用いられるようになった。
 これを物品貨幣(自然貨幣)、または原始貨幣と呼ぶ。物品貨幣は、貝殻や石などの自然貨幣、家畜や穀物などの商品貨幣とに分類される。

         

 代表的な物品貨幣に、タカラガイなどの貝類(古代中国、オセアニア、アフリカ)、石類(オセアニア)、穀物(バビロニア)や布(日本)等がある。
 貝・羽毛・鼈(べつ)甲(こう)・鯨歯など、装飾品や儀礼的呪術的なものもであったが、その背景に宗教的意義を持つ場合が少なくない。

         
        


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 最初の貨幣

 時代が下ると、青銅や鉄、銅、あるいは金・銀などの金属が貨幣として使われるようになった。最初は地金を秤量することで、貨幣として使用していたが(→秤量貨幣)、やがて計数貨幣として金属を鋳造した貨幣が現れた。
 現存する最古の鋳造貨幣は、紀元前7世紀にリディア王国で作られたエレクトロン貨といわれている。
 また、中国では原始貨幣をかたどった鋳造貨幣が作られた(貝貨・刀貨・布貨)。

              
               
 
 金属は保存性・等質性・分割性・運搬性など、貨幣としての必要な条件を満たしていることが普及につながった。
 古代エジプトでは、鋳造貨幣は対外交易の決済通貨として用いられる程度であった。
 本格的に鋳造貨幣が流入するのは、アレクサンドロスによる征服以降である。

 ローマ帝国は、兵士の給与に銀貨を大量に用いたため、地中海世界で銀貨、および銀貨を補う高額通貨の金貨、低額通貨としての銅貨が定着した。

           

 ローマ軍団兵の給与は「塩」で給付され、それがサラリーの語源であるとの説があるが俗説の域をでない。
 salariumは兵士ではなく高位の役職者に対して定期的に支払われる給与であり、なぜsal(塩)を語源にしているのかは文献的・歴史的には確定できない。
 
 古代から中世にかけての金属貨幣は、金属資源の採掘量に左右される傾向にあり、従来の鉱山が枯渇すると貨幣制度はしばしば重大な脅威を受けた。

 鋳造貨幣はしばしば、政府や領主などの発行権者が、通貨発行益を得る目的で発行され、額面が地金の価値を上回ることがあった。
 これは一方で贋金の横行を呼んだため、権力者は取り締まりに苦慮することになった。


          
 
 信用通貨と贋金の問題はおそらく貨幣の歴史と同じくらい古いであろうと思われる。価値の裏付けを金属に求めながら、地金価値と額面を厳密に一致させる「本位貨幣」制の確立は近代以降であり、近代以前の貨幣制度を単純にそれで理解することは難しい。

 金銀本位制であったとされる古代ローマ帝国では、銀貨のデナリウス貨は、発行当初、98%の銀を含有していた。が、軍費調達や財政再建の目的で徐々に品位は低下していき、アウレリアヌス帝の頃には含有率3%以下まで下がった。
 このため、グレシャムの法則に従って、良貨は駆逐された。
 貴金属ではない銅貨(青銅貨)は、その地金価値が低かったため、金銀貨との比価を定めた補助貨幣として利用されたが、多くは政府の定めた比価ではなく市場価格に従って取引された。


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 紙幣の登場

 中世になると紙幣が登場した。
 世界初の紙幣は、宋代に鉄銭の預り証として発行された交子である。

                

 中世末期に入って、ヨーロッパでは大航海時代・価格革命から商業的に大量の金銀が使用されるようになった。
 この金銀を、それまでのように取引に使用すれば、盗難や磨耗の危険がある。
 そのため、金銀を貴金属細工商の金庫に預け、代わりに証書を受け取った。
 証書はいつでも金銀に交換可能なため、紙切れでありながら価値を持った。

           
          
  
 
 やがて証書を使用して取引をするようになり、これが現代の紙幣の先祖にあたる。
 証書を発行していた商人は、金銀が頻繁に引き出されなくなったため、証書を金銀の裏付けの無いまま発行して融資する業務を開始した。これが、現代の銀行の先祖に当たる。



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 中央銀行の誕生と金本位制

 時代が下って、様々な商人が証書を発行するようになったため、これらの「銀行」が統一され紙幣発行権限をもつ中央銀行となった。諸銀行は、証書(紙幣)を預かる商業銀行となって現在に続いている。

 法的に平価が定められ、金の裏付けをもとにして証書(紙幣)が発行される通貨制度を金本位制と呼ぶ。
 金本位制が法的に初めて実施されたのは、1816年にイギリスで、ソブリン金貨が発行され、銀貨は補助貨幣とすることが定められたときである。
 これ以後、他の欧米諸国も続々と金本位制に切り替えていき、19世紀後半には金本位制は世界の標準となった。
  
           
           

 その後金本位制は度重なる変遷を得た後、第一次世界大戦から世界恐慌頃に相次いで停止され、第二次世界大戦後はブレトン・ウッズ体制下において、USドルのみが金と兌換でき、その他の通貨はUSドルと固定相場制をとることで価値を保証した。

            


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 変動相場制


 ニクソンショック後は、USドルと金の兌換が停止され、主要国は変動相場制へ移行。主要な通貨は、戦後に急成長した実体経済の経済力を背景に価値をもつこととなった。
 なお、現在でも信用力の低い国などが、USドルと固定相場制をとるか、あるいはUSドルそのものを自国通貨とすることで価値を保証している場合がある。

 現代経済では、国家は流通の安定のために、法律によって通貨に強制通用力をもたせている。これを特に法定通貨・信用貨幣という。
 このため、交換の媒介として所定の通貨を用いることを拒否することは通常出来ない。また、この法貨にあたる現金通貨は(日銀当座預金とともに)支払完了性を有しており、取引を無条件に完了させる決済手段として中央銀行がこれを提供している。

      
       

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 国内に出回っている現金 100兆円?(2015年12月末)



 いよいよ師走に入り、何かと物入りな12月。
 ボーナスも出て、何処でもお歳暮商戦で賑やかですね。我が財布は風邪を引きそうに乏しいのですが、はて、世の中にいかほどの現金が流通しているのか。

 日経新聞の記事によると、国内に出回る現金、「100兆円突破へ」とい記事がありました。

 「国内で流通する現金が増えている。お札と硬貨を合わせた残高は年末に初めて
100兆円を突破する見込みだ。
 超低金利で預金が魅力を失う一方、現金を好んで使う訪日観光客やコンビニエンスストアのATM普及で現金を引き出す需要が増えているためだ。
 マイナンバー制度で「政府に資産を補足されたくない人が引き出している」(BNPパリバ証券の河野龍太郎氏)面もある。
 10月末のお金の流通残高は前年同月より5.9%多い97兆2500億円。
 伸び率はペイオフが解禁された2002年以来の大きさで、東日本大震災があった
11年3月(4.6%)も上回る。
 お札と硬貨を合わせた今年末時点での残高は103兆円になりそうだ。
 警備大手、綜合警備保障(ALSOK)が扱う今年度の現金輸送額は290兆円と前期比16%増える見通し。コンビニATMの普及が一因だ。
 訪日観光客の急増も背景にある。成田空港で外貨を扱うグリーンポート・エージエンシーによれば、14年度の外貨から円への両替は2年前の3倍近くに増え、足元でも伸びているという。
 マイナンバ-制度の影響による現金回帰もある。」

以上日経新聞記事から。
 
 
 少しデーターは古いが、【各紙幣の流通量】
 2009年度末時点では、紙幣で約77兆円、貨幣で約4.5兆円。
 これを合わせた、約81.5兆円が流通していた。
 
  その紙幣と硬貨の流通明細

   1位: 1万円札 (70.7億枚)
   2位: 千円札  (35.8億枚)
   3位: 5千円札 (5.4億枚)
   4位: 2千円札 (1.1億枚)

   【各貨幣の流通量】

   1位:1円玉(398.4億枚)
   2位:10円玉(199.2億枚)
   3位:5円玉(115.1億枚)
   4位:100円玉(101.8億枚)
   5位:50円玉(43.4億枚)
   6位:500円玉(39.0億枚)


 しかしながら、現金を3億円も金庫に置いていて、盗難に遭ったという親分もいたようですから、あまり現金を大量に保管しない方が無難なようです。

 まあ、余談ですが我が家には、1億円、いや一千万円なんて大金はございません。
 枕を高くして、今日もお休みなさい。


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