棚田(たなだ)とは、傾斜地にある「田んぼ」のことで、傾斜地を利用して、
水平に保たれた田が、規則的に階段状に集積させた田んぼのことをさし
千枚田(せんまいだ)とも呼ばれる。
近世以前の稲作適地は、
比較的小規模で緩やかな沖積扇状地、小規模な谷地、
小規模で地形が連続する隆起準平原などが主力であり、
いずれも河川の中上流域が中心であった。
稲作には土木技術と潅漑が必要で、
この必要性から、稲作地は緩やかな高低差があり、
一つ一つの田の間に、明確な高低差が生じているほうが都合が良い。
このために広い意味での棚田を形成することになった。
棚田は国土保全、環境保全と同時に、
階段状に大小さまざまな水田が集まる千枚田の美しい景観は、
まさに日本の農業の原風景である。
1999年7月農林水産省は、日本全国の117市町村、134地区の棚田を
「日本の棚田百選」に認定した。
戦後は稲作の大規模化・機械化が推し進められ、
傾斜に合わせて様々な形をしていた圃場は、
農業機械が導入し易い大型の長方形に統一されて整備された。
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